犬を迎える

はじめて犬を迎える前に 準備することと、そろえるもの

犬と暮らすのは、10年以上続く長いおつきあいです。迎える前に家族で話し合っておきたいこと、そろえておくもの、迎えてから必要な登録や動物病院のことを、順番にまとめました。

この記事のポイント

  • 犬の寿命は10〜20年くらい。最後まで一緒に暮らす(終生飼養)のが前提です。迎える前に、家族みんなで話し合いを。
  • 確かめたいのは、住まいがペット可か、毎日の世話ができるか、アレルギー、費用の見通し。
  • そろえるものは、ケージ、トイレ、食器、ごはん、首輪・ハーネスとリードなど。お散歩の道具は、デビュー前から家の中で慣らしておけます。
  • 迎えたら、登録と狂犬病の予防注射、マイクロチップの情報の変更、動物病院での健康チェック。

この記事は一般的な情報です。犬の体の状態は、年齢や犬種、持病などによって一頭ずつ違います。気になる症状があるときは、かかりつけの動物病院に相談してください。

飼い主さん

犬を迎えようと思っているんです。でも、何から準備すればいいのか、全然わからなくて。

獣医師

調べはじめると、やることが多く見えますよね。順番に並べると、案外すっきりしますよ。

準備は、大きく分けると3つです。

迎える前に家族で話し合うこと、そろえるもの、迎えてすぐの手続き。 この順番で見ていけば、もれはほとんどなくなります。

そして、いちばん最初に考えておきたいのが、この先10年、20年の暮らしです。

犬を迎えるのは、長い旅に出るのに少し似ています。出発の前にちょっと地図を広げて、行き先と荷物とお財布を確かめておく。それだけで、旅はずっと楽になります。

迎える前に、家族で話し合っておきたいこと

杉並区は、犬や猫の寿命は10〜20年くらいで、飼い主には命を終えるまで適切に飼う責任がある(終生飼養)と案内しています。

10年後、20年後。自分の暮らしはどうなっているでしょう。

環境省のハンドブックも、迎える前に家族全員でよく話し合うことをすすめています。あげられているのは、たとえばこんなことです。

  • 住まいは犬を飼える条件か(賃貸ならペット可か)
  • 転勤や引っ越しの予定
  • 家族全員が賛成しているか、動物アレルギーの人はいないか
  • お散歩、ごはん、トイレ、お手入れを毎日できるか
  • 鳴き声やにおいで、近所に迷惑をかけないか
  • 一生の世話にかかる費用
  • もし飼えなくなったとき、代わりに世話をしてくれる人

全部に「はい」と言えなくても、すぐに諦める必要はありません。「ここはどうしようか」と家族で話せていること自体が、もう立派な準備です。

どんな子を迎えるか

犬種によって、体の大きさ、毛の手入れ、必要な運動の量、性格の傾向はさまざまです。

見た目で選びたくなる気持ちは、もちろんわかります。そのうえで、大人になったときの大きさと、毎日どれくらい歩く必要がありそうかを、自分の暮らしの時間と並べてみてください。子犬のころの小ささは、あっという間なので。

子犬から育てるほかに、成犬や、動物愛護センターなどにいる保護犬を迎える選択肢もあります。環境省のハンドブックでも、保護された犬を家族に迎えることが紹介されています。

そろえておくもの

そろえるもの ひとこと
ケージ・サークル 落ち着いて休める自分の部屋に
ベッドやタオル 前にいた場所のにおいがついたものがあると、安心しやすい
トイレトレーとシーツ 寝る場所から少し離して
食器(ごはん用・水用) 洗いやすいもの
ごはん まずは、迎える前に食べていたものと同じものを
首輪・ハーネス、リード お散歩デビューまでに家の中で慣らす
迷子札 連絡先がわかるもの
お手入れ用品 ブラシ、つめ切り、歯みがきの道具

歯みがきは、道具をそろえるより先に、口のまわりをさわられても落ち着いていられる練習から。獣医師のブログの犬の歯磨きが出来ない本当の理由で書いています。

ごはんは、急に変えるとおなかをこわすことがあります。しばらくは迎える前と同じものを続けて、変えるなら少しずつ混ぜていってください。

それと、家の中の見直しも。子犬は、とにかく何でも口に入れます。電気のコード、飲みこめる小さなもの、犬が食べると危ない食べもの。床に落ちていないか、子犬の目の高さでぐるっと見てみてください。

費用は、少し多めに見積もっておく

かかる費用は、犬の大きさや健康状態、暮らし方でかなり変わります。

ひとつの参考として、ペット保険会社のアニコムが契約者を対象に行った調査では、2025年の犬1頭あたりの年間支出は約41万円、そのうち病気やけがの治療費が約9万円でした。

ただ、これは保険に入っている人の回答なので、すべての家庭にあてはまるわけではありません。

毎月のごはんやトイレ用品に加えて、ワクチンや予防のお薬、トリミング。そして忘れがちなのが、急な病気やけがへの備えです。こればかりは、いつ来るか誰にもわからないんですよね。

迎えたら、すぐにやること

まず、市区町村への登録と狂犬病の予防注射。生後91日以上の犬は、飼いはじめてから30日以内に登録して、年に1回の予防注射を受けます。

次に、マイクロチップの情報の変更。ペットショップやブリーダーから迎えた子にはマイクロチップが入っていて、新しい飼い主さんの情報に変える届け出が必要です。

それから、動物病院で健康チェック。ワクチンの予定や、ノミ・ダニ、フィラリアの予防のことも、このときにまとめて相談しておけます。ワクチンについては獣医師のブログの犬の混合ワクチンは本当に必要?、フィラリアについてはフィラリア予防って本当に予防できてる?でくわしく書いています。

最初の数日は、そっとしておく

新しいおうちに来たばかりの子にとっては、見るもの、聞こえるもの、におい、ぜんぶがはじめてです。

かわいくて、ついたくさんかまいたくなりますよね。でも最初の数日は、静かに休める時間をたっぷりとってあげてください。

トイレやごはんの時間、寝る場所を毎日同じにしていると、「ここが自分の家なんだ」と少しずつ安心していきます。

お散歩デビューまでの進め方は「子犬のお散歩デビューはいつから?」で書いています。

よくある質問

犬を飼うのに、1年でどれくらい費用がかかりますか?

犬の大きさや健康状態、暮らし方で大きく変わります。ペット保険会社の契約者を対象にした調査では、犬1頭あたりの年間の支出が40万円ほどという結果もあります。ただ、これは保険に入っている人の回答なので、あくまで参考に。病気やけがの治療費は、思わぬときに大きくかかることもあります。

子犬と成犬、はじめてならどちらがいいですか?

子犬はしつけや社会化に時間と手間がかかります。成犬は性格や体の大きさがもうわかっているぶん、暮らしを想像しやすいところがあります。保護犬を迎える選択肢もあります。家族の暮らし方に合うかどうかで考えてみてください。

迎えたら、すぐに動物病院に行ったほうがいいですか?

迎えて早めに一度、健康チェックとワクチンの予定の相談を兼ねて受診しておくと安心です。移動や環境の変化で疲れていることもあるので、お迎え元から聞いた情報も合わせて、受診のタイミングを動物病院に電話で相談してみてください。

参考にした資料

  1. 犬との幸せな暮らしハンドブック(PDF・p.15)環境省(2026年10月14日確認)
  2. ペットを飼う前に考えてほしいこと杉並区(2026年10月14日確認)
  3. 狂犬病に関するQ&Aについて厚生労働省(2026年10月14日確認)
  4. 犬と猫のマイクロチップ情報登録環境省(2026年10月14日確認)
  5. アニコム、ペットにかける年間支出調査(2026年3月18日の記事)Web担当者Forum(参考:保険会社による契約者調査の紹介)(2026年10月14日確認)

コラムの一覧へ