はじめてのお散歩 時間・距離・歩き方のめやす
「何分歩けばいいの?」「どれくらいの距離?」にぴったりの正解はありません。年齢・体の大きさ・その日の様子から決める考え方と、はじめの数回の進め方、歩きたがらないときのヒントをまとめました。
この記事のポイント
- 「何分・何km」の、どの犬にも共通する正解はありません。年齢、体の大きさ、健康状態で変わります。
- 多くの犬は1日1〜2回が目安。はじめは短く、少しずつのばします。
- 子犬の「月齢×5分を1日1〜2回」は、あくまで目安。数字より、疲れのサインが優先です。
- 急に歩かなくなったら、まず痛みや体調を疑って。気になるときは動物病院へ。
この記事は一般的な情報です。犬の体の状態は、年齢や犬種、持病などによって一頭ずつ違います。気になる症状があるときは、かかりつけの動物病院に相談してください。

先生、お散歩って毎日何分くらい行けばいいんですか? ネットで調べると、書いてあることがばらばらで、、、

ばらばらなの、実は当たり前なんです。今日は服のサイズにたとえて考えてみましょうか。
診察室でも、とてもよく聞かれる質問です。
答えを先に言うと、すべての犬に共通する正解の時間はありません。 多くの犬は1日1〜2回が目安で、長さはその子の年齢、体の大きさ、その日の体調で決めていきます。
服を選ぶときを思いうかべてみてください。同じMサイズでも、ぴったりの人もいれば、きつい人もいますよね。お散歩のちょうどいい長さも同じで、表示のサイズ(ネットの数字)より、着てみた感じ(その子の様子)のほうが正確なんです。
数字は、服のMサイズくらいに思っておく
英国の動物病院チャリティPDSAは、多くの犬に必要なのは「1日に少なくとも1〜2回のお散歩」だとしています。そのうえで、犬種によっては1日1〜2時間以上の運動が必要な子もいる、とも書いています。
一方で、日本の公的機関や獣医師の団体が小型犬なら何分、という一律の数字を出しているわけではありません。
じゃあ何を手がかりにすればいいのか。サイズを決めるのは、このあたりです。
- 年齢(子犬は短く回数を分けて、シニアは無理のない長さで)
- 犬種と体の大きさ(もともと長く走るために生まれた犬種は、たくさん動きたい子が多い)
- 持病があるかどうか
- その日の天気と、前の日の疲れ
持病のある子は、かかりつけの獣医師に「どれくらいまで歩いていいですか?」と一度聞いておいてください。それだけで、毎日の迷いがずいぶん減ります。
子犬の月齢×5分は、あくまで目安
アメリカンケネルクラブ(AKC)の記事では、子犬のお散歩を「月齢1か月につき約5分を、1日1〜2回」とする目安が紹介されています。生後4か月なら、1回20分くらいですね。
同じ記事には、骨や関節が育ちきるまでは、リードをつけての長いジョギングは控えるようにとも書かれています。
ただ、この数字より大事なのは、目の前の子の様子です。
座りこむ。遅れはじめる。ハアハアがなかなか落ち着かない。
こういうサインが出たら、数字が残っていても、その日はそこまでで十分です。
はじめの数回は、家のまわりから
最初は、家のまわりを短めに。においをかぐ時間もたっぷりとってください。においかぎは寄り道ではなく、犬にとってはお散歩の大事な中身なんです。
しばらくは同じ道を何度か歩きます。知っている道がふえると、犬も落ち着いて歩けるようになります。
慣れてきたら少しずつ長く。一度に大きく変えず、何日かかけてのばしていきます。
帰ってきたら、ぐったりしていないか、足をかばっていないか、ごはんをいつもどおり食べるかを見てください。お散歩の長さが合っているかどうかは、帰ってからの様子がいちばん正直に教えてくれます。
暑い季節は、早朝や夜の涼しい時間に。環境省も、夏の日中のお散歩は熱中症や肉球のやけどにつながるおそれがあるとして、涼しい時間帯をすすめています。
リードの持ち方
リードは、ぴんと張らずに、少したるむくらいで持ちます。人や車、自転車が多い道では短めに持って、犬を道の端側に。
伸び縮みするリードは、犬をコントロールしにくいとして使わないよう呼びかけている自治体もあります。
引っぱりが強い子には、引っぱったら立ち止まる、横に戻ってきたらほめる、という練習のしかたがよく知られています。うまくいかないときは、トレーナーに相談してみてください。
首輪で強く引っぱる子は、ハーネスのほうが合うこともあります。どちらがいいかは、かかりつけの獣医師やトレーナーに相談してみてください。
歩きたがらないときは、理由がある
お散歩に行きたがらない。途中で止まって動かない。
困りますよね。でも、犬なりの理由があることがほとんどです。大きな音や車、ほかの犬がこわいのかもしれません。その日の暑さや寒さが合っていないのかもしれないし、前の日に歩きすぎたのかもしれません。
こわい場所は、少し離れたところから慣らしていけば大丈夫です。
ひとつだけ見逃したくないのが、痛みや体調の変化です。足をかばう、触ると嫌がる、少し歩いただけで息が上がる。こういう様子が続くときは、無理をせず動物病院で相談してください。
年齢を重ねた子の「疲れやすくなったな」には、心臓などの病気が隠れていることもあります。歳のせいかな、で終わらせずに、一度診てもらうと安心です。心臓病のしくみは、獣医師のブログの心臓病ってなに?理解するためにプールで考えてみようで、たとえ話で書いています。
よくある質問
小型犬なら、お散歩は短くてもいいですか?
体の小さい子は1回の距離が短めでよいことが多いです。ただ、においをかいだり外の景色にふれたりする時間は、気分転換としても大事なんです。必要な量は犬種や年齢、健康状態でかなり違うので、その子に合った量はかかりつけの獣医師に聞いてみてください。
1日1回しか行けない日があっても大丈夫ですか?
大丈夫です。毎日まったく同じでなくてかまいません。行けない日は、家の中で一緒に遊んだり、においを探すゲームをしたりして、体と頭を使う時間をつくってあげてください。
お散歩の途中で座りこんで動かなくなりました。
疲れ、暑さ、こわいもの、足や体のどこかの痛みなど、理由はいろいろです。無理に引っぱらず、抱っこで帰ってかまいません。何度も続くときや、足をかばう様子があるときは、動物病院で相談してくださいね。
参考にした資料
- Exercise for dogs: our ultimate guidePDSA(英国の動物病院チャリティ)(2026年10月14日確認)
- How Much Mental and Physical Exercise Do Puppies Need?American Kennel Club(2026年10月14日確認)
- 防ごう!ペットの熱中症(PDF)環境省(2026年10月14日確認)
- 犬に関すること江東区(2026年10月14日確認)