体と健康の基本

犬の薬をあげたか思い出せない 飲ませ忘れと二重を防ぐ続け方

朝の薬をあげたか思い出せない、家族がもうあげたかわからない。毎日の薬を続けるための時間の決め方、その場で記録するこつ、二重にしない工夫を獣医師の目線でまとめました。飲ませ忘れに気づいたときの連絡の仕方も。

この記事のポイント

  • 薬の時間は、記憶にたよらず、毎日かならずすることにくっつける
  • あげたら、その場で記録する。あとでまとめて書くとぬける
  • 家族で世話をするなら、記録の場所をひとつに決める
  • 飲ませ忘れ・二重に気づいたら、自分で量を調整せず、まず主治医に電話

この記事は一般的な情報です。犬の体の状態は、年齢や犬種、持病などによって一頭ずつ違います。気になる症状があるときは、かかりつけの動物病院に相談してください。

飼い主さん

朝の薬、あげたかどうか毎朝わからなくなるんです、、、

獣医師

とても多いご相談です。思い出そうとするのをやめて、仕組みに任せてしまいましょう。

毎日の薬がはじまった最初の1週間は、だいたいうまくいきます。つらいのは、そのあとです。

朝の支度をしながら、夜は歯みがきのついでに。手は動いているのに、頭は別のことを考えている。だから記憶が残らないんです。

飲ませ忘れを防ぐこつは、覚えておくことではなく、覚えておかなくてすむようにすることです。

忘れるのは、だらしないからではありません

診察室で「また忘れてしまって、、、」とうつむく飼い主さんに、私はまずこうお伝えします。忘れるのが、ふつうです。

一日に何度も、何か月も続くことを、記憶だけで続けられる人はいません。

しかも、忘れやすい時間はかたよっています。朝の出かける前と、夜の寝る前。どちらも、ほかにやることが多い時間ですよね。

責めるのをやめて、やり方を変えましょう。

時間は、すでにある習慣にくっつける

薬の時間を朝8時と時刻だけで決めると、その8時が毎日ちがう8時になります。出かける時間が早い日もあれば、寝坊する日もある。

そうではなく、毎日かならずすることにくっつけてください。

  • 朝ごはんを出したあと
  • 自分がコーヒーを飲むとき
  • 夜、歯をみがいたあと
  • 寝る前に玄関のかぎをかけたとき

くっつける相手は、自分が毎日ぜったいにすることがいいです。犬ちゃんのごはんは、食べない日もありますから。

ただし、食前・食後の指示が出ている薬は、その指示が優先です。

公益社団法人日本動物用医薬品協会のQ&Aには、動物病院で処方された薬について「先生の指示どおりの期間と回数と量を投与してください。」と書かれています。時間を少しずらしてよいかどうかは、薬によってまったくちがいます。気になったら、次の受診まで待たずに、その日に電話で聞いてください。

あげたら、その場で記録する

ここがいちばん大事なところです。

あとでまとめて書こうとすると、かならずぬけます。そして、ぬけた記録は、あげていないのか、書いていないだけなのかが、あとからわからない。

これが、二重に飲ませてしまういちばんの原因です。

記録する場所は、紙でもカレンダーでもアプリでもかまいません。条件はふたつだけ。

  1. 薬を置いてある場所の、すぐそばにあること
  2. 家族のだれが見ても、同じ場所であること

冷蔵庫に貼ったカレンダーに、丸をつけるだけでも十分です。

家族で世話をしているとき

「パパがもうあげたかもしれない」。これも、とても多いご相談です。

決めておくことが3つあります。

だれがあげるかを先に決める。曜日でも時間帯でもいいです。全員でなんとなく見るより、担当を決めたほうがぬけません。

記録の場所をひとつにする。家族のトーク画面に一言送るのでもいいのですが、画面は流れていきます。流れない場所がいいですね。

薬のシートの残りを数える。週に一度、記録とシートの残りが合っているかだけ確かめます。記録は書きもれますが、残りの数はうそをつきません。

飲ませ忘れた、二重にあげたかもしれない

まず、落ち着いてください。そして、自分で量を調整しないでください。

次の回に2回分をまとめる、半分にする、1回飛ばす。どれも、薬によっては危ないことがあります。

することはひとつです。主治医か、かかりつけの動物病院に電話してください。

伝えることを先に手もとに用意しておくと、話が早く進みます。

  • 薬の名前(袋やシートをそのまま見ながら)
  • 1回の量と、1日に何回か
  • 前にあげた時間と、今回あげた時間
  • いまの様子(元気か、吐いていないか、ふらついていないか)

同じQ&Aには「処方されたお薬をうまく使用できないときは獣医師に相談しましょう。」ともあります。相談していい場面です。遠慮はいりません。

元気がない、くり返し吐く、ふらつく、呼吸が速い。こういう様子があるときは、夜でも連絡してください。

薬を切らさないために、受け取った日に数える

飲ませ忘れと同じくらい多いのが、薬を切らしてしまうことです。

受け取ったその日に、残りが何日分あるかを数えて、次の受診の日をカレンダーに入れてください。

あと3日分になってから電話すると、予約が取れないことがあります。毎日の薬が何日か空くのは、できれば避けたいですよね。

月に1回の予防薬も同じです。フィラリアの予防薬が体の中で何をしているのかは、獣医師のブログのフィラリア予防って本当に予防できてる?でくわしく書いています。毎日ずっと続く薬の例としては、心臓の薬があります。心臓病ってなに?もあわせて読んでみてください。

アプリで、時間と記録をひとつにする

わんダフルデイリーでは、健康 › お薬 にいまの薬を登録すると、時間を朝・昼・夜・寝る前から選べます。毎日、曜日ごと、何日おき、この日だけ、のどれかで決められます。

時間の30分前に、まもなくお薬の時間です、とお知らせが届きます。あげたら、ホームの次の予定か 健康 › 今日の予定 で記録してください。同じ回を2回記録すると、この回の記録が2件あります、と画面が教えてくれます。

はじめて使うときは、最初の設定の3番目で、今、飲んでいるお薬はありますか、と聞かれます。そこで はい を選んで、いまの薬をひとつだけ入れてみてください。時間を選んで、次の画面で 通知を使う を押せば、明日から知らせが届きます。

最初の設定をとばしてしまっていても大丈夫です。健康 › お薬 › お薬を追加 から、同じことができます。

薬の種類や量、続け方は、その子ごとにちがいます。困ったときは、主治医の先生と一緒に考えていきましょう。

よくある質問

薬の時間が1〜2時間ずれても大丈夫ですか?

薬によってまったくちがいます。どれくらいまでならよいかを、処方してくれた病院で先に聞いておいてください。飲ませ忘れに気づいたときの連絡先も、そのときに確かめておくと安心です。

錠剤を嫌がって飲んでくれません。

口に入れても出してしまう、口を開けさせてくれない。そんなときは、無理に続ける前に動物病院に相談してください。薬の形や飲ませ方を変えられることがあります。

家族で、あげたかどうかがかぶらない方法はありますか?

だれがあげるかを曜日か時間帯で決めて、記録を一か所にまとめるのがいちばん確実です。週に一度、薬のシートの残りが記録と合っているかを確かめてください。

旅行や、ペットホテルに預けるときはどうしますか?

薬の名前、1回の量、あげる時間を書いた紙を、薬と一緒に渡してください。預け先によって求められるものがちがうので、ワクチンの証明書も先に確かめておくと安心です。

参考にした資料

  1. Q&A(Q5 動物病院で処方された薬の使用時の注意点は?)公益社団法人日本動物用医薬品協会(2026年10月20日確認)

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